2010年07月27日

何事も経験

 重根島診療所( http://happy.ap.teacup.com/shikonezima-g/2.html )

 の教授と名乗る先輩からメールが届きました 。また、何やら怪しげな物をレストアを

 したとの案内かなと思いきや・・・子どものように「先日携帯電話を新調しました」

 と嬉しそうな・・・その中で、教授曰く、「最近の商品は画像のように、発泡スチロー

 ルが使われず紙製となって、よく出来ています。日本人お得意の折り紙なのです。一枚

 の紙から三次元折り紙が出来るなんて、これって結構特許ものらしいですね」との講釈

 を述べています。

   

   

   

 コレにかけては、私の方が少々知り得るところがあります。と言うのも、かれこれ17

 年前まで、私は住宅の営業マンでした。しかしバブルがはじけ営業成績が低迷。営業ノ

 ルマで手にする糧が違います。やむを得ず本業以外に夜二つのアルバイトで生計を立て

 なくてはなりません。本業をプラスすると3つの仕事をこなしました・・(泣けてきました:笑)

 そのひとつにダンボールで箱を作るが為の「木型」作る会社でした。

 「箱もの」外箱とか言われ、商品を梱包してある箱の事ですね。これってどうやって作

 ってるんだろう?上の画像のように、試しに箱を組み解いて展開してみると、これまた

 複雑な形状をしていてとても箱(立方体)になる事をイメージできません。

 組み立て工数を少なくして、強度を保たなければならない為に、箱の設計には色んなノ

 ウハウが詰まっています。中には、箱を使ってそのままPOPとして使えるように設計

 された箱を見た事有りますよね?  あれなんか匠の技だなぁと感心してしまいます。

 さて、その匠な箱を作る上で絶対必要な工程が型抜きです。段ボール紙に印刷された箱

 の元は『トムソンの木型』という箱作りツールによって先ほどの複雑な形状に切り抜か

 れます。その木型がこれ↓

   

 拡大すると・・・

   

   

 裏から見ると分かりやすいです。

   

 ベニヤ板をレザーでや(糸のこぎり)で設計データ通りに切り、カッターの刃をはめ込

 みます。表面のゴムのようなものはカッターの刃から厚紙を押し抜く役目を果たしてい

 て、紙の上からこの木型を押し当て型通りに切り抜くと箱の元が完成です。後は組み立

 て手順通りに機械又は人が組み立てれば箱が出来あがります。

 普段、購入した製品が入っている箱は製品を取りだしてしまうと、ゴミ箱行きだったり

 保証書や説明書をしまって何処かへ収納してしまう事が多いのであまり着目する人も少

 ないようです。でも、箱には製品を安全確実にお客様の元へお届けするという大きな使

 命を持っています。そしてこの箱の制作費も製品価格の一部なのですから、如何にして

 組み立て工数を削減するか、如何にしてお客様の目を引くPOPとしてアピールするか、

 これらは箱作りに係わる匠のテーマなのです。

 しかし・・・何事も経験と言いますが、ここで、あの苦しかった日々が役立つとは思い

 ませんでした。


[ 榊原のりあき ホームページ ]
http://www.cypress.ne.jp/sakakibara/
  


Posted by サンマルクン at 20:35Comments(0)