2013年02月07日

北方領土の日

きょう2月7日を北方領土の日。安政元年12月21日、日露和親条約が結ばれそれまで曖昧で

あった日本とロシアの国境線が明確にされた。この日はグレゴリウス暦に直すと1855年2月7

日になります日本とロシアの間で問題となったのは、千島列島と樺太でした。特にやっかいだっ

たのは以前は樺太とサハリンが同じ島とは知られておらず、日本は樺太を、ロシアはサハリン

をそれぞれ領有していると思いこんでいたことでした。しかし調査の結果これが同じ島であるこ

とが分かり、この件は両者の懸案となっていました。この条約では結局樺太に関する問題は先

送りとし、日露両国民が居住できる地と定め、千島列島に関しては、択捉・得撫の両島の間に

国境を定めるものとしました。この結果、日本に属する側は南千島と呼ばれるようになりました

北方領土の日



しかし、その後ロシアはサハリンに積極的に進出。 ここの権益をはっきりさせたいとの立場か

ら交渉が続けられ、1875年(明治8)「千島樺太交換条約」が結ばれます。これにより、日本は

樺太の権利を放棄すると共に代わりに千島列島を全て日本の領土とすることが決まりました。

その後日露戦争で日本が勝ったことから、1905年ポーツマス条約により日本は戦果として樺

太の南半分を割譲させます。しかしその後太平洋戦争での敗戦の結果、1951年サンフランシ

スコ条約により多数の領土を放棄させられます。

日ソ国境に関する日本語の条文は下記の通りです。

第二条C 日本国は千島列島並びに日本国が1905年9月5日のポーツマス条約の結果とし

て主権を獲得した樺太の一部及びこれに近接する諸島に対するすべての権利、権限及び請

求権を放棄する。

これによって日本は樺太南半分に関する権利を失ったのですが、その後両者で大いに問題

となったのがこの条約で放棄した「千島列島」というのがどこまでなのかという問題です。

この当時既に、日本ではその範囲は1875年の条約で獲得したウルップ島以北であると主

張しソ連側は南千島まで含めると主張し、話し合いは全く進展しないままソ連がこの南千島

まで実効支配した状態が続いています。

両者の間で妥協案として出されているのは、歯舞・色丹を日本に先行返還し、国後・択捉に

関しては引き続き交渉を続け将来的には昔の樺太のように日露両国民が自由に出入りで

きる地とするという案ですが、この案に関しては、日本側で特にロシアに不信を持っている

勢力からロシアはそれでこの件を交渉終了にしてしまうつもりだ。 妥協してはならない、と

いう意見が出て、政府の交渉カードも縛られています。

また、ロシア側にも、この4島くらい日本にあげてしまって、その代わりシベリア開発に関す

る技術協力の約束を取り付けろという意見もあります。 しかし、それをすると、ロシアが国

内のあちこちに抱えるロシアからの分離独立運動を勢い付けてしまい良くないという保守派

の強硬な意見があり、ロシア側の交渉カードも縛られているのです。

そういうことでこの問題は日本側に、かつての佐藤栄作のような優秀な外交能力のある人

が登場するまでの間、日本とロシアはいまだに平和条約が結べない(つまり、日本とロシア

の戦争は1945年以降まだ終結していない!!)まま、続いていくのかも知れません。(佐藤は

当時南千島の返還に関してかなり交渉を進展させていたらしいが、沖縄が日本に基地付き

で返還されたことから、アメリカ基地が南千島にできることを恐れて、交渉を突然うち切った

らしい)

北方四島とは、国後・歯舞・色丹・択捉です。

最大の択捉島は3000平方km。四国の6分の1という巨大サイズ。国後島も1500平方km

この2つは本州・北海道・九州・四国につぎ、日本で5番目と6番目に大きい島です。 7位が

沖縄島で1200平方km。色丹島は250平方km。徳之島と同じくらいの面積。

根室おきにまず国後島があり、その先に択捉島があります。国後島の北東端から南東に行っ

たところに色丹島があります。歯舞諸島は根室半島の先端・納沙布岬と色丹島の間に散在す

る諸島です。 大きい島では、根室側から水晶島、秋勇留島、勇留島、志発島、多楽島などが

あります。そのほか水晶島のそばにゴメ島、南に萠茂尻島、オドケ島、貝殻島、志発島の南に

ハルカリモシリ島、多楽島のそばにカブ島、少し南東に海馬島・カブト島・カナクソ島、このほか

更に地図からは名前が拾えない小さな島が多数あります。(写真は、海から見たクナシリ島)







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Posted by サンマルクン at 18:33│Comments(0)
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